アイアムニッポン(カレーの話)


カレーがかれこれ6年好きだ。

一口にカレーといってもいろいろある。中でも私はインドカレー、それもルードロドロのやつを大変に愛している。


なんといっても口に含んだときのあの幸福感。旨味たっぷり、まったりもったりコク深く、鼻から抜けるスパイスの香りと辛さのおかげで重たくなりすぎない。

牛豚羊、鶏にお野菜。海鮮・チーズ、なんでもござれの広い懐。

幸せってこんな味なんだろうな、っていう味。あー、この文章を打ち込みながらカレー欲がどんどん膨らんでいく。


モノによっては赤ぁい油がたっぷりだったりするけど、カレーにはスパイスがガシガシ入っているから、その油もスパイスにいぶされてきっと健康に良い油になっているはず。これはきっとカロリーゼロ理論に近い。


私はインドカレーのおかげで、サグがほうれん草だということ、エビがプラウンだということ、ダルは豆、パニールはインドのチーズ等々無駄な単語力を得ました。

ほんとは「美味しい」とかを現地の言葉で伝えていつもの感謝を伝えたいんだけど、一生言えないんだろうなあ、とも思うのです。

何故なら、カタコトのかわいい日本語で「辛サダイジョブ?オイシ?」って店員さん側から聞いてきてくれるから。

だからその日本語に敬意を表し、サムズアップで「だいじょぶ、おいしい!」っていつも返します。嬉しそうにニコっとしてくれる店員さんのまあーーー可愛いこと……

店によって、あと混み具合によっては、ニコリと笑って花散らしながらバックヤードに帰っていったかと思うと、「コレ、サビスネ、Lassi(ネイティブの発音)」ってラッシーくれたりする。ヒィかわいい……



あと私は、インドカレー屋さんにある手書きの辛うじて読めるヘチョヘチョのカタカナも大好きである。

大半のカレー屋が日替わりメニューを置いてると思うんだけど、そういうところの入口とか店内の壁のちっさいホワイトボードに書かれてたりする。チキンキーマのこと、 チキソ キマ って書いてるの可愛すぎませんか?!?!

(これは譲れないんだけど、インドカレー屋さんの手書きの文字は絶対に半角カナです。これは譲れない)

日替わりじゃないのに手書きメニューのところとか、最高。 ラッツー とか書かれてるとキュン通り越してギュンしてしまうよ。



(読み飛ばし可)ここで「インドカレー屋の店員はほとんどがネパール人なんだぜ~お前の食ってるそれは本当にインドカレーなのか~?」とか言い出す輩に釘を刺す余談なんですが、インドカレーヤー(造語)である私にとってはそんなの些事、だから何?です。寿司はアメリカ人が握っても寿司でしょうが!てやんでい!バーロー!どこの国の人でも、インドカレーを美味しく作ろうとしてくれていれば出来上がったものはインドカレーだし、インドカレー屋の店員さんなのです。逆に言えば、ネパールカレーのお店の店員がインド人でも、美味しいネパールカレーを作ろうとするマインドがあればネパールカレー屋の店員なのです。



これ、インドカレー屋さんでキュンキュンしてしまう現象、文章に起こしながら考えてみたんだけど、私のこのインドカレーへの情熱がそうさせているのかもしれない、と思えてきた。

インドカレーへの愛情って、どうやっても一方通行でしょう。絶対に返ってくることのない愛情。

そんな中で、店員さんのカタコトや書き文字に触れて、キュンとくる。

でもそれは別にキュンとさせるためにやってるわけじゃなく、日本で暮らしていくために必要なスキルであって、言い換えれば日本との距離を縮めようとしてくれている行為ですよね?


じゃあそれにキュンと来るってどういうことかと考えると、


「日本との距離を縮めるってことは、イコール私との距離も縮めようとしてくれてるんだよね~~♡」と捉えている。

あと、カレーへの愛がカレー屋の店員さんから返ってきても違和感なく喜べているので、カレー屋の店員さんとカレーそのものを同一視している可能性が高い。

無機物への愛を、ご都合変換であたかも相互に想い合っているように思いこんでいる、こませている。だからこそのキュン。


何言ってんのコイツ?というあなた様の感情は正しいものですので大切にしてください。



さて。好きなもののことになると饒舌、というのはオタクの専売特許でございますが、とうとうワケ分からん文章が出てき始めたので打ち切りです。

冷静になって考えてみると、「日本への歩み寄り」を自分へのものに変換するって、”我、日本也ワシがニッポンじゃあ”ってことでしょ?図々しさ甚だしいことこの上ないですね。



いかに私が毎日ハッピーで過ごしているか、そしてどれほどカレーを愛しているかがお分かりいただけ……たかどうかはさておき、いつも美味しいインドカレーをありがとうございます。ダンニャワード。(ありがとうの意)

ちなみに美味しいはスワディシュット、というそうです。いつか言いたい。


皆さんも、別にヒンディー語が離せなくたって構いませんので、むしろ堂々とした日本語で、自分こそがニッポンそのものであるという気持ちでインドカレー屋さんに行ってみましょう。

キュンキュンするはずです。


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